なぜ伝えた事をやってくれないのか
早速、昨日のテーマについて考えてみたいと思います。
私の基本は自問自答ですので特定の人の事をいうつもりは当然ありません。
表現にも注意していますが、誤解を与えるような部分がありましたらお許しください。
「指示したことを、部下がやらない」
「返事はいいけれど、改善行動を起こさない」
「どうして言ったことやってくれないのか」
「あれだけ言ったのになー」をよく聞きます。
どうしてか?って聞くと
「本人の意識・資質の問題でしょ」
「仕事に対するやる気の問題でしょ。」
「要領悪いんでしょ」となります。
果たしてそれだけなのか?
伝える側の問題は無いのか?
今、コミニュケーションの勉強をしておりますが、言葉だけでは全体の7%しか伝わらないと言われています。
その言葉さえも具体性がなければ相手に伝わるわけがありません。
先日参加した同友会の「共同求人活動」で講師の方が言っていました。
今時の学生さん(新入社員)に言ってはいけないことは「俺の背中をみて覚えろ!」だそうです。[#IMAGE|S8#]
「どうして言った事をやってくれないのか」
私の答えは「伝わっていない」ということになります。
どうしたら「伝わるのか」
やり方はいろいろあると思います。
伝わるまで何度も繰り返し言い続ける。
言葉だけでなく文字、映像、身振り、ものさし(基準)等を使ったり、やって見せたりする。
このあたりは自分的にはわりとやっている方だと思います。
それでも、ミスやロスが後から発生する。 忘れられている。 言った事が実践されない。
なぜか?
人は未来にやろうとしている行為を記憶します。
しかし、やろうと思っていたことを忘れてしまうことがあります。これを【展望記憶の失敗】言います
やらなければいけないタイミングで、うまくそのことが想い起こされないと、
【展望記憶の失敗】が起こるのです。
最近は展望記憶の失敗が激しいので紙(メモ)に頼っています。
心理学者のクルト・レヴィンは、記憶の想起に関して、
『自らのなかに満たされない意図が存在すると、心の中に緊張が生じ
それが、後のその意図を思い出す可能性を高めている』と、述べています。
これを【緊張説】といいます。
わかりやすく言いかえれば、何かの目標を達成したいという欲求の存在が
心に緊張をもたらし、その目標を達成するために必要な行為を
実施することを思い出させるということです。
ということは、部下に意味づけもせずに「ただやれ」というだけでは、
心の緊張をつくり出せない。 つまり、部下は【展望記憶に失敗】する。
それどころかきつく言う事で違う緊張感が生まれてしまい、やるべき事ができなくなります。
なぜやってほしいのか、
やることで部下にとってチームにとってどんなメリットがあるのか、
短くでもそれを伝えたり、考えさせたりすることが必要だと思います。
自分自身、この部分のメッセージが弱いため、勘のいい人にしか伝わらないことが多いのです。
もうひとつは、受け止め方の問題。
極論いうと、同じ言葉に対しても、10人いたら受け止め方は10通りと思ったほうがいい。
特に私の場合、いろんな受け止め方を誘発するような表現言い回しがおおいこと、
表情や視線で相手が萎縮したり距離感を感じてしまいがちなので注意が必要です。
「それってどういう意味?」とストレートに聞き返してくる人は少ないのでこちらから確認するくらいでないといけませんね。
こうして伝えたつもりでも出来ていない事が多々あります。
『作業中の仕事は、作業が完了した仕事に比べると想起されやすい』
という実験結果があるそうです。【ツァイガルニーク効果】
だとすると、作業中状態をまずは作ること、
つまり指示したことを一旦はその場でやらせてみたり、
すぐに取り掛からせるようにすることが大事となる。
要するに、言っておいて後でチェックでは遅いということ。
「言ったのになー」「言ったじゃん」は見るのが遅い。
結果論で相手が悪くなってしまいます。
つまり、言ったとおりにやってくれない原因も解決策もすべて自分側にあるということです。
しかも私の場合、
「自分自身がよく理解していないまま相手に伝えてしまう」「めんどくさいことはひとまかせ」という本質的な課題も克服しないかぎり、会社や社員の成長は望めませんね。[#IMAGE|S8#]
今日のひとりごと
・言ったと伝わったは違う。
・人は感情を持っている。
・自分が変わるしかない。(社長の器以上に会社はならない)
・よき理解者(代弁者)をどれだけ作れるかが鍵